お知らせ

マイタウンあさひVol.229 長門屋コラム第6回

2019.12.08

11月30日発行のマイタウンあさひにて、長門屋のコラム連載第6回目が掲載されました。今回は、「お膳のお供え」について。仏さまにお膳を用意する暮らしについてお話ししております。「マイタウンあさひ」は毎月30日に朝日新聞に折り込まれます。

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【お膳のお供え】

仏さまやご先祖さまのためにお供えするお膳は、お花やお線香と同じように、料理でおもてなしすることで感謝と供養の気持ちを表す大切なものです。「毎朝、煮物とお浸し、漬物、味噌汁、ご飯を供え、七日ごとには無縁仏のお膳も用意…と、母の成仏を応援する儀式を四十九日やり終えた、なんとも言えない達成感」とは、お母様を見送ったある女性のお客様のことば。ご両親がお元気だったほんの一年前までは、毎日の暮らしの中に、お仏壇もおまいりもなかったといいます。「自分ながら、普段からやりつけているとは言えない煮物作りまで毎日よくやった」とおっしゃり、不謹慎ながらそのお顔は晴れがましくも感じられました。ある八十代の女性のお客様も、長年連れ添った旦那さまに先立たれて以来、毎朝お膳にお料理をお供えされていました。「でも、年を取って忘れっぽくなり、つい自分だけ先にご飯を食べてしまい、そんな時は『おじいちゃんごめん』と言いながら後からお膳をあげるんだよ」とおっしゃるのです。この方にとってはお仏壇があることで旦那さまと話ができて、一人でも億劫にならずにご飯を作って、実はそのことで毎日元気をもらっているのだと思いました。心を込めてお膳の料理をこしらえる時間は、大切な人と向き合う時間。大変なようでいて、「することがあること」が前に進む助けになる。仏さまに供えたお膳は、やがてお下がりとなって自分の心とからだの栄養となり、生きる人を守ってくれる。たくさんの人の暮らしの中に、静かな祈りの風景があります。(代表 笹林陽子)

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