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かわら版・コラム

マイタウンあさひVol.232 長門屋コラム第9回 お墓がもたらすもの

2023.01.26

2020年2月発行のマイタウンあさひにて、長門屋のコラム連載第9回目が掲載されました。今回は、「お墓がもたらすもの」について。お墓を建立されたお客様のエピソードについてお話ししました。「マイタウンあさひ」は毎月30日に朝日新聞に折り込まれます。

マイタウンあさひ

【祈りのある暮らし⑨ お墓がもたらすもの】

長門屋では、8年前からお墓の仕事もさせていただいております。亡くなった家族のお骨を納める場所として、お墓には昔から経年変化に耐えられる石が使われてきました。家族の有り様や住まい方、供養への感覚の変化によって、お墓事情も多用化しています。そんな中で、ある方がお墓について話してくださった言葉が、心に残っています。「お墓は自分にとって、お仏壇より大事なんです。お墓を建てたことで、自分の根っこがしっかりしました。根っこがあるから、安心して自由にしていられるんです」と。お墓があることが心にもたらす作用は測れませんが、先人たちはそれを体感して生きていたのかもしれません。今年度は、地元の石でお墓を建てる仕事が続きました。60代の男性I様のご相談は「父が生前耕した畑から出てきた石を使って、お墓がつくれないだろうか」というものでした。「以前から兄弟とも相談し、父の思い出の石を使いたいと決めていた」とおっしゃるのでした。お父様は、若い頃に西蔵王の荒れ地を開墾して、農業を生業にされていた方でした。お墓づくりは一緒に畑へ見に行き、試しに小さな石を拾って持ち帰るところから始まりました。こうした石には、カットしてみたら中に大きな穴が開いているなどのリスクも伴います。I様とは双方のイメージにギャップができないように打ち合わせを重ね、加工の現場にも同行をお願いして、ようやく完成にたどり着きました。お墓づくりは、生きている人の心を支える根っこづくりに通ずるような気がしています。このようなご家族の人生ドラマやルーツに関わらせていただくこの仕事を、ありがたく光栄に思います。(代表 笹林陽子)

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