納入実例仏壇修復 宮城県Y様
2019.10.27
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宮城県の新聞社河北新報さんに取材していただいた「長門屋のお仏壇お仕立て直しサービス」の記事をご覧下さったというY様。山形にお越しの際に、仏壇修復についての相談のためお立ち寄り下さいました。
Y様は宮城県石巻市にお住まいで、平成23年の東日本大震災の折には被災されました。津波の被害は幸いご家族には及びませんでしたが、ご自宅に到達し、お仏壇はまるまる海水に浸かったといいます。その後、ボランティアの方々の力を借りて泥を払い、今まで大切におまつりしてきたとのことです。この度、新居に越すことになり、お仏壇の引っ越しに際しての問題点などをご相談いただき、以下の通りご提案いたしました。
① | 新居の仏間の幅が狭く、今までのお仏壇が納まらない。 |
→ | 一番上の「冠」という部位だけが、仏間の幅に対して大きかったので、その部位だけを幅詰め加工する。 |
② | 先祖から受け継いだお仏壇をできるだけそのまま生かしたい。 |
→ | 塗り直しや金箔の押し直しといったことは今回行わず、お仏壇を一度分解し、内部まで入り込んだ津波の砂を除去、掃除する。一番下部分の紛失してしまった引出しを新規で作成し復元する。 |
津波に遭って助かったお仏壇なので、金箔が剥げかけた個所もありました。しかし、それも歴史であり、先祖から受け継いだお仏壇をできるだけそのまま生かしたい、とのお客様のお考えから、お気持ちに添うご提案をさせていただきました。
↑仏壇内部に入り込んだ津波の砂 |
夏にお預かりしたお仏壇を、秋を迎えた先日、無事石巻市まで納品いたしました。仏間にぴったり納まったお仏壇。代々のご先祖様たちも居心地よく感じて下さっているとうれしいです。